私が主役のエッセイ旅~ ローカルエッセイコンテスト

入賞作品を読む

列車はつなぐよ どこまでも ―― 伊藤昭光 様

【選考委員からのコメント】
  • いつもなら結構なスピードで通過してしまう列車が、田んぼアートのお田植えに精を出す子どもたちの前で減速した。そのスピードは歩くほどゆっくりと。その結果、子どもたちと乗客との間にコミュニケーションが生まれる。秋田内陸線のディーゼルカーがとりもつ縁である。やがて列車が走り去っても、子どもたちの心の中には列車と乗客たちの笑顔が、乗客たちの瞼には泥んこの子どもたちの元気な笑顔が刻まれる。「ああ、秋田内陸縦貫鉄道のローカル列車はいいなあ!乗りたいなあ!」と、感じさせてくれる作品です。
  • 内陸線沿線にある小学校の子ども達が沿線の田んぼアートに関わる風景、楽しむ様子、そのすぐ側を通り子どもたちが植えた田んぼアートが眺められる内陸線、全国から秋田を訪れる乗客や内陸線スタッフと子ども達との出会い…線路がつながるようにみんなの笑顔がつながり拡がっていく姿が描かれているところが素晴らしい。教員である作者の子ども達への、地域へのあたたかな愛情に溢れた作品だと感じた。


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私は教員をしている。今年度、勤務している学校で、6年生と田植えをした。しかしそれはただの田植えではない。秋田内陸線から見える田んぼアートのための特別なものだ。それを見たいがために内陸線に乗車する観光客もいると聞く。そんな作業に関わるのだから、児童の責任は重大である。色苗を間違って植えようものなら…

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初めての二人旅 ― 左京 奈緒美 様

選考委員からのコメント】

子を思う母親の愛情たっぷりの作品。子どもたちを大切に思うからこそ自立した経験をさせてあげたい。内陸線を通じ体験のギフトをプレゼントしたい、そんな強く暖かな大きな優しさを持つ母親が作者であることも伝わり、読み進めるごとに心がほのぼの、ほっこりとしてくる。作者の母親と内陸線の優しいスタッフに見守られ、内陸線乗車体験を経て登場する子ども達が自信をつけて大きく成長していっている様子に読み終わるとなんだか胸があたたかな優しさでいっぱいになった。

秋田内陸線に乗って― 作山 キヌ 様

選考委員からのコメント】
おそらくご高齢と思われる作者が、通院の際、秋田内陸線を利用して阿仁合駅から鷹巣駅まで往復乗車されるシーンを描いた好作品です。読み進むうちに、小津安二郎の優しさにあふれた世界が広がってきました。最後の川柳がまたいいですね。「内陸線窓いっぱいの鰯雲」など、春夏秋冬を期待しています。

十二段トンネルと私 ― 加藤 茂行 様

選考委員からのコメント】

トンネルは鉄橋に比べると、真っ暗な上に絵にもならないことから、あまり人気がないものです。事実、大又川橋梁は他の作品にも多数登場しますが、十二段トンネルをメインとしたエッセイは本作品のみとなりました。本作品によって十二段トンネルが、秋田内陸縦貫鉄道にとって、また作者にとっても、いかに重要なトンネルであるかを認識させて頂きました。作者が夢に描いた「阿仁合発秋田経由阿仁合行き」列車の構想も、今年12月11日にスイスで実現する「GPX」の技術を用いれば夢ではありません。

私の旅の続き ― 赤倉 聖来 様

選考委員からのコメント】
いかにも高校生らしい若さと楽しさにあふれた好エッセイです。作者がまだ小学生だった頃の6年前の情景と、現在の情景が交互に展開するところなどは、あたかも映画を観ている化のような気分になりました。また、こぐま亭の親子丼のシーンですが、「その味わいは・・…」という、肝心なところで「私は答えない。絶対に答えない」という展開に、参りました!私も実際にこぐま亭まで行って食べなければ気が済まなくなりました。読んだ人を秋田内陸縦貫鉄道に誘う秀作です。

【子どもの部】 ▼PDFで読む

私のおすすめのスポット ― 渡部 桜 さん

選考委員からのコメント】
渡部桜さん、秋田内陸線のおすすめスポット・ベスト3のご紹介、どうもありがとう。1に大又川橋梁、2に武家屋敷、3は乳頭温泉。素晴らしい選択ですね。私も渡辺桜さんおすすめスポットに、今すぐ行ってみたくなりました。

たくさんのった内陸線 ― 佐藤 錬磨 さん

選考委員からのコメント】
これまでに乗った中での思い出深い内陸線の乗車体験を4つ、それぞれのエピソード(思い出)と共に書かれていて、目の前に作者が内陸線に乗り笑顔になった楽しそうで嬉しそうな光景が浮かびあがってくる作品だと思いました。

毎日楽しみな内陸線 ― 小松 大斗 さん

選考委員からのコメント】

小松大斗さんが毎日楽しみにしていることが、列車に手を振った時、「フィン」とタイフォーンを鳴らしてもらえることだそうです。それは、おとなでも嬉しいことです。また、秋田内陸線の列車はトイレ完備ですからご心配なく! >>エッセイを読む

内陸線に乗って ― 八柳 凜星 さん

選考委員からのコメント】
日頃から秋田内陸線を好きで大切に思い毎日楽しみに眺めている様子が伝わってくるエッセイだと思います。内陸線の今後(未来)についても考えていてもっといっぱい乗って少しでも長く続く協力をしたいと地元を愛している気持ちに溢れる素敵な作品だと感じました。

帰宅の旅~ゆれる内陸線と私の心 ― 千葉 暁 さん

選考委員からのコメント】
「無人駅に到着した。過疎化が進んでいて、文字通り誰もいない」冒頭から本格的な推理小説が始まるかのようで、驚きました。けれども、待合室には虫がいそうなので中には入れず、整理券を取ることができずなど、まさに千葉暁さんのゆれる心も描かれていて、今後のストーリー展開が楽しみなエッセイです。
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